シンプルトート入門
本日リリースの新作トートバッグ。製作テーマとして、「プレーンスタイルにおける引き算」を求めることから始めました。この記事では、(自ら伝えなければ見過ごされてしまうであろう)新トートの初期サンプルからのブラッシュアップポイントと主な特徴についてご説明いたします。
まず今回の大小二つのトートバッグは、共通する基本構造を持っています。最初の改善点は、単純な直線パターンを緩やかなアーチに構成し直すことでした。オープン構造のトートバッグの口元の緩みを抑えるため、トップラインにかけてわずかにテーパーさせることで、立体になった時のフォルムを整えるのが目的です。※中央のスライダーで、型紙のビフォー・アフターを比較いただけます
こちらのパターンをご利用される場合は、SUSIESVELTの出典明記をお願いいたします
オールドコーチやLV、ゴヤール等によく見られる、テープ巻き処理でまとめていた1sサンプルの口元をアップデート。手間のかかる切目仕上げに補強効果のある口革を施すことで上品かつすっきりした印象に。
2ndサンプルでは、口革に微秒な存在感のシームラインがありました。これを一手間かけ消し去りました。実はセンターストラップで目隠ししているだけですが、工程数も増え、縫製作業の取り回しが煩雑となるため一般的ではありません。さりげない引き算の手法です。
肩掛け用のロングストラップは、高強度のテキスタイルを縫い込むことで、粘り強い細平手に仕立てています。(有名ブランド等では、薄革とセルロース合成材をメインに構成されていることがありますが、捻れに弱く劣化が早い印象があります)
小トートは、荷重量が少ない為、レザーのみで持ち手を構成しています。始めの図面画像でもご確認いただける通り、ロングストラップとは異なるアーチ形状にしている理由は、持ち手の上部を三次元的にフラットに近づけるためです。(この説明では、伝わりにくいかもしれません^^;詳しく知りたい方はアトリエにて)
最もバッグが安定する基礎的な底付けパターンを採用しました。(独立底の定義は、本組工程で底付けが最後に行われる)あえて底鋲は打たずに、大トートには硬質芯、小トートには軟質芯が入れてあります。
今回使用しているイタリアンシュリンクレザーは、軽さに定評のある素材です。PROMENADE小トート(約200g)/CLICHÉ大トート(約800g)内布とレザーパッチポケットがダブルで付いてこの軽さ。
各色3個の限定販売となります。
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レディメイド品については、複数個を同時製作することでコストダウンしています。一点製作となるパターンオーダーは価格が異なります。その他の素材、カラーでのパターンオーダーや、ご希望のディテール変更等はお気軽にお問い合わせください。